パニック障害でも安心して通える歯科医院を目指して
歯科医院に通うことに強い不安や恐怖を抱える方は少なくありません。特に「パニック障害」を抱える患者様にとって、歯科治療は身体的・精神的な負担が非常に大きなものになり得ます。
「予約の時間通りに行けるか不安」「診療台で急に息苦しくなったらどうしよう」「治療中に逃げ出したくなるのではないか」——そんな不安の積み重ねが、口腔内の健康を損なう原因になってしまうこともあります。
本コラムでは、パニック障害を抱える患者様に配慮した歯科医院の在り方について、当院の取り組みを交えながらご紹介します。
パニック障害とは?歯科通院が困難になる理由
パニック障害とは、突然強い不安や恐怖に襲われる「パニック発作」を繰り返す精神疾患の一つです。動悸、息切れ、めまい、過呼吸、強烈な不安感などが主な症状で、明確な原因がないにもかかわらず急に起こるのが特徴です。
歯科医院での治療は、「じっとしていなければならない」「口を開けたままで自由が利かない」「異物感や機械音が不快」「逃げ出せない状況に置かれる」といった要素が重なるため、パニック発作を引き起こす誘因となり得ます。
こうした理由から、「歯が痛くても我慢する」「歯科医院を探すことすらできない」という方が多くいらっしゃいます。
当院が行う3つの配慮:パニック障害をお持ちの方へ
1. CAD/CAMを活用した即日治療で通院回数を最小限に
歯科治療では、従来であれば詰め物や被せ物を作成するために、初回の型取りと調整、次回の装着というように、複数回の通院が必要でした。しかし、当院では先進のCAD/CAMシステムを導入しており、院内で歯の補綴物(詰め物・被せ物)を即日で設計・加工・装着することが可能です。
これにより、最短1日で治療を完了させることができ、再来院のストレスを大幅に減らすことができます。「またあの場所に行かないといけない」「治療のたびに緊張しなければならない」といったプレッシャーから患者様を解放します。
2. 休憩可能・ペースに合わせた治療
パニック障害の方にとって、「治療中に自分のペースを保てるかどうか」は非常に重要なポイントです。当院では、診療時間に余裕を持たせた予約枠の確保や、診療中のこまめな声かけ・確認を徹底しております。
治療中に気分が悪くなった場合や、不安感が強くなった際には、その場で一旦治療を中断して休憩することも可能です。無理をさせることは決してありません。
「今日はここまでにしましょう」「続きはまた次回、落ち着いたタイミングで進めましょう」といったように、患者様ご自身のペースに合わせた治療が可能です。
3. 常駐の歯科技工士による迅速・高品質な補綴物の製作
当院には歯科技工士が常駐しており、歯科医師と連携して補綴物の製作を行っています。患者様のお口の色・形にぴったりと合った詰め物・被せ物をその場で製作・微調整できるため、即日治療でも品質を妥協しません。
また、歯科技工士が直接患者様とお話しし、色味や形状の希望をその場で確認できる体制も整えており、治療の満足度が高まります。
「ある時間に行かなければならない」不安を軽減する工夫
パニック障害の方の中には、「◯時にここへ行かないといけない」と思うこと自体がプレッシャーとなり、外出を避けてしまうことがあります。当院では、そのようなご事情にも柔軟に対応しています。
通院回数を減らすことでプレッシャーの総量を軽減
比較的空いている時間帯の予約を案内
当日の急なキャンセルや変更にも柔軟に対応
「できるところまででOK」という前提のもと治療を進行
このように、“通う”ということ自体のハードルを下げる取り組みを積極的に行っています。
パニック障害を持つ患者様の声
実際に通院されたパニック障害をお持ちの患者様からは、以下のようなお声をいただいております。
「1回で終わると聞いて、本当に助かりました」
「途中で休めると思えるだけで、心が軽くなりました」
「最初にしっかり話を聞いてもらえて、安心できました」
「技工士さんと直接話せて、色や形に納得できたのがよかった」
これらのご意見は、私たち医療提供者にとっても励みであり、今後さらに配慮の質を高める原動力となっています。
まとめ:治療をあきらめないでください
パニック障害をお持ちの方にとって、歯科治療は高いハードルに感じられるかもしれません。しかし、技術や体制の進化により、今は「通いやすい歯科医院」を選べる時代です。
当院では、CAD/CAMによる即日治療、ペースに合わせた診療、歯科技工士常駐による品質確保という3つの柱で、安心して通院いただける環境を整えています。
「行けるかどうか不安」「最後まで治療を受けられるか自信がない」と感じている方も、まずはご相談ください。**“無理せず、自分のペースで進められる”**歯科治療を、私たちと一緒に考えていきましょう。
実は私の身内にもパニック障害歯科恐怖症傾向の人がいます、1回行けたら治療を終えられるコンセプトの歯科診療の確立を目指すきっかけでした。
2025年5月17日 カテゴリ:未分類