はじめに
「せっかく高額なセラミック治療をしたのに、再治療が必要になってしまった」——こうした後悔の声は少なくありません。とくに1日で完結する“1dayセラミック治療”では、スピードと同時に治療の“質”が求められます。
本コラムでは、セラミックでも“再治療しにくい歯”に仕上げるための設計・処置・管理のポイントをご紹介します。1日で終わるからこそ、妥協せずに治療するためのヒントとしてご活用ください。
なぜ再治療が必要になるのか
補綴物と歯の適合精度が低い
セラミックと支台歯との間に隙間があると、そこから細菌が侵入して虫歯(2次カリエス)を引き起こすリスクが高まります。
歯周組織への配慮不足
補綴物のマージン(縁)が歯肉を刺激する位置にあると、炎症や歯肉退縮を招き、結果として見た目や機能性が損なわれてしまいます。
咬合力への対応が不十分
噛み合わせのバランスが悪いと、セラミックの破折や支台歯への過負荷により再治療のリスクが高まります。
“再治療しにくい歯”にするための基本設計
支台歯形成の質がカギ
支台歯の角度・高さ・平滑性を正確に整えることで、補綴物が高精度で適合し、長期的な安定につながります。形成の段階から再治療を見越した設計が必要です。
歯肉との調和を考慮したマージン設計
歯肉縁上または歯肉縁レベルでのマージン設定により、清掃性を確保しつつ審美性も担保することが可能です。
咬合調整と負荷の分散
セラミックの接触点を調整し、強すぎる咬合接触を避けることで、補綴物や天然歯への過剰な負担を防ぎます。ナイトガードの併用も有効です。
1day治療でも精密性を担保するために
口腔内スキャナーによる正確な印象採得
デジタル印象により支台歯の微細な形状やマージンが高精度に再現され、補綴物の適合性が飛躍的に向上します。
設計から加工までを院内で一貫管理
CAD設計とCAM加工を院内で行うため、精度の確認や調整をリアルタイムで実施できます。修正が即座に可能なのも1day治療の利点です。
常駐技工士との連携で細部まで反映
歯科技工士が院内にいることで、色調だけでなく形態やマージンの微調整も対面で行うことができ、完成度が格段に向上します。
ブランパ梅田デンタルクリニックの取り組み
見えない部分こそ丁寧に
咬合面や舌側など、目に見えない部分の適合性や研磨状態にもこだわることで、細菌の付着や破損リスクを軽減しています。
再治療リスクを下げるためのアフターケア
定期的な咬合チェックやクリーニング指導により、治療後も良好な口腔内環境を保つサポート体制を整えています。
まとめ
“1日で終わるセラミック治療”は、ただ早く終わるだけの治療ではありません。
設計・形成・印象・加工・装着のすべての工程において妥協をせず、長期的な視点で再治療を必要としない補綴物を提供することが重要です。
ブランパ梅田デンタルクリニックでは、常駐技工士との密な連携と高度なデジタル技術を活かし、「1日で終わる、でも長く持つ」治療を実現しています。
再治療の不安がある方こそ、当院にご相談ください。
かみ合わせの再構築もお任せくださいね。