「セラミック歯の色が浮く原因とは?」:失敗しないシェード選択と調和の考え方

はじめに

セラミック治療を受けた患者様から、「白すぎて周囲の歯と合わない」「治療した歯だけが浮いて見える」といったご相談をいただくことがあります。

セラミックは見た目の美しさが大きな魅力ですが、その美しさが逆に不自然さを招いてしまうこともあります。本コラムでは、なぜセラミック歯の色が浮いてしまうのか、その原因と対策を歯科医師の視点から詳しく解説します。

セラミック歯の色が浮く主な原因

シェード選択の不一致

もっとも多い原因の一つが、天然歯との「色合わせ」の失敗です。歯の色は単一ではなく、切縁(先端)、中央、頸部で色味や透明度が異なります。にもかかわらず、シェードガイドで一色のみを選択して作製してしまうと、全体と調和しない人工的な印象になります。

明度が高すぎる(白すぎる)補綴物

「白い歯にしたい」という患者様の希望に応えるために、必要以上に明るい(A1やB1など)シェードを選択してしまうと、隣接する天然歯とのコントラストが大きくなり、補綴物が浮いて見える結果になります。

透明感の不足

色が合っていても、セラミックの透明感が不足していると、どこか“のっぺり”した印象を与えてしまいます。特にモノリシックジルコニアのみを使用した場合、奥行き感に乏しく、天然歯との違和感が目立ちます。

失敗しないシェード選択のポイント

シェードマップの活用

当院では、ただシェード番号を選ぶのではなく、歯の部位ごとの色の違いを記録した「シェードマップ」を使用しています。切縁部は明るく透け感があり、頸部はやや濁っているといった細かい情報を技工士に伝えることで、より自然な仕上がりが期待できます。

口腔内・顔貌写真の併用

シェード選択の際には、顔貌や笑顔全体とのバランスを確認するために、正面写真・側面写真などを撮影します。特に前歯部では、口元全体との調和が非常に重要です。

ホワイトニングとの併用時の注意点

セラミックはホワイトニングの影響を受けません。そのため、先にホワイトニングを行い、周囲の天然歯の色が落ち着いてからセラミックの色を決める必要があります。タイミングを誤ると、治療後に「周囲の歯だけ白くなった」「逆にセラミックが目立ってしまった」という結果を招きかねません。

素材の選定による調和の工夫

e.maxを活用した自然な色調

光の透過性が高いe.max(リチウムディシリケート)は、天然歯の透明感やグラデーションを再現しやすく、色が浮きにくい素材の一つです。単冠補綴(1本だけ治すケース)において、周囲と馴染む仕上がりが可能です。

築盛タイプでの微調整

ジルコニアフレームに陶材を手作業で盛りつける築盛タイプは、技工士の技量によって繊細な色味や透明感を再現することができます。特に前歯では、築盛によりより自然な表情を持たせることができ、不自然さを回避できます。

ブランパ梅田デンタルクリニックの取り組み

技工士との直接対話が可能

当院では、患者様が歯科技工士と直接コミュニケーションをとることが可能です。「もっと自然な感じにしたい」「この歯に合わせてほしい」といったご要望をその場で技工士が確認できるため、イメージのズレが最小限に抑えられます。

即日でも色調の微調整に対応

1day治療であっても、院内技工士と連携しながら、補綴物の色・形の確認や調整をその日のうちに完了させることが可能です。「即日=妥協」というイメージを払拭し、スピーディかつ高品質な仕上がりを提供します。

まとめ

セラミックの色が浮いてしまう原因は、色選びのミスや透明感の不足、素材の選定にまで及びます。

失敗しないためには、患者様の希望とプロの判断をすり合わせながら、色・透明感・構造のすべてに細やかな配慮が必要です。

ブランパ梅田デンタルクリニックでは、院内技工士と密に連携し、即日であっても“周囲と調和する自然な美しさ”を実現する治療を行っております。仕上がりの美しさで後悔したくない方は、ぜひ一度ご相談ください。

また直接院内にて即日仕上げを行っているゆえ修正もその場でさせて頂きます。

 

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