- はじめに
セラミック治療は、審美性と機能性の両立を目指した補綴治療として多くの患者様に選ばれています。しかし、セラミックは天然歯に比べて割れやすいという特性があるため、装着後のメインテナンスが非常に重要となります。
本コラムでは、セラミック歯の長期的な安定を図るために行う「咬合調整」と「プロテクティブアプライアンス(ナイトガード)」の役割と、その効果について解説いたします。
咬合調整の重要性
噛み合わせのバランスと負荷分散
セラミックは硬く、咬合力に対して脆性があるため、咬合面への過剰な力が集中するとチッピングや破折の原因となります。治療後の咬合調整を的確に行うことで、力のかかり方を均一化し、補綴物の耐久性を高めることができます。
高すぎる咬合のリスク
特に、咬頭嵌合位での過接触や側方運動時の干渉があると、セラミック補綴物に過度なストレスがかかります。これを放置しておくと、経年的にマイクロクラックが進行し、割れや剥離の原因となります。
プロテクティブアプライアンス(ナイトガード)の役割
歯ぎしり・食いしばりからの保護
無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)は、補綴物の破損原因として非常に多くみられます。ナイトガードは、これらの力を吸収・分散させることでセラミック補綴物を保護します。
装着による予後の違い
ナイトガードを装着している患者様と、していない患者様とでは、数年後の補綴物の破損率や歯のすり減りに明確な差が見られます。特に、上下の歯に複数のセラミックを装着しているケースでは、全体を守るためにもナイトガードの使用が推奨されます。
咬合調整とナイトガードの併用による相乗効果
咬合バランスの維持
補綴物装着後に理想的な咬合バランスが取れていたとしても、経年的に歯列や噛み癖が変化していく可能性があります。定期的な咬合チェックと調整を行うことで、長期的に安定した状態を維持できます。
ナイトガードによる補助的サポート
咬合調整で負荷分散を行ったうえで、ナイトガードを使用することにより、就寝中の異常な咬合力からも補綴物を守ることができます。これにより、セラミック治療の予後が格段に改善されます。
ブランパ梅田デンタルクリニックの取り組み
補綴後の咬合調整を重視
当院では、セラミック補綴物装着後に咬合紙や咬合調整用ツールを使用し、患者様一人ひとりの咬合バランスを確認・調整しております。初回だけでなく、メインテナンス時にも必要に応じて再調整を行います。
ナイトガードの適応判断と製作
歯ぎしり・食いしばりの傾向がみられる患者様には、積極的にナイトガードの使用をおすすめしています。専用の型取りと咬合調整を行ったうえで、装着感の良いカスタムタイプのナイトガードを提供しています。
まとめ
セラミック治療は見た目だけでなく、長期的な機能維持があってこそ意味のある治療です。そのためには、補綴後の咬合調整とナイトガードの併用が極めて重要です。
ブランパ梅田デンタルクリニックでは、1dayセラミック治療の提供だけでなく、その後のメインテナンスにも力を入れており、患者様の補綴物が長く快適に機能するようサポートしています。セラミックの治療後に不安がある方も、ぜひ一度ご相談ください。
ボトックスに関しましてはまた別に機会にて……