はじめに
「セラミック治療は見た目でバレるのでは?」という不安を持つ患者様は少なくありません。特に前歯など目立つ部分の治療では、ほんの少しの違和感でも「不自然さ」を感じさせてしまうことがあります。
しかし、近年のセラミック治療は素材の進化と技術の発展により、周囲の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりを実現できるようになっています。本記事では、「セラミックがバレる」と言われる原因を探りながら、自然に見せるための素材・技術・注意点について詳しく解説します。
なぜ「セラミックはバレる」と思われがちなのか
過度に白すぎる色調の選択
A1やB1といった明るいシェードを選ぶと、かえって人工的な印象になり、周囲の天然歯と違和感を生む場合があります。
透明感の不足
天然歯にはエナメル質を通して光が透過する「透明感」があります。単層構造のモノリシックジルコニアなどはこの透明感が乏しく、平面的でのっぺりとした印象になりやすいです。
形態や配置の不調和
歯の長さや傾き、角度、丸みなどが左右の歯と異なる場合、不自然さが強調されます。特に前歯1本だけの補綴は調和が重要です。
自然に見せるための素材選び
e.max(ガラスセラミック)
e.maxは光の透過性に優れ、天然歯に近い透明感と色調を再現できます。特に前歯部の審美修復に最適です。
築盛ジルコニア
フレーム部分にジルコニアを使い、表面に陶材を築盛することで、多層的な色調や透明感を出すことが可能です。技工士の経験と技術が要求されますが、仕上がりの自然さは格別です。
色調の再現に必要な工程
シェードマップと口腔内写真
歯の根元・中央・先端で色が異なるため、それぞれを分けて記録します。口腔内写真と合わせて技工士に情報を伝えることで、より精密な色調再現が可能になります。
ホワイトニングとの併用時の注意
ホワイトニング後すぐにシェードを測ると色戻りでずれる可能性があるため、2週間程度あけてから色合わせを行うのが理想です。
形態の再現と仮歯の重要性
仮歯での試用と調整
仮歯の期間中に形や大きさ、笑顔時の見え方を確認します。実生活での違和感をチェックしながら最終補綴の形に反映することができます。
顔貌とのバランス調整
患者様の顔全体の印象との調和を意識することで、より自然な口元を実現します。
技工士との連携が自然な仕上がりを左右する
院内技工士の強み
院内に常駐している技工士と直接連携することで、写真では伝えきれない微妙な質感や色のニュアンスも反映可能です。
1dayセラミックにも対応
当院では、技工士がその場で補綴物を仕上げる1dayセラミックにも対応。スピードと精度を両立し、患者様のご負担も軽減します。
見た目に不安を感じる方へのアドバイス
1本だけの補綴こそ丁寧に
1本のセラミックでも周囲との調和が鍵です。見た目にこだわる方は、仮歯・素材・設計に時間をかけて調整することをおすすめします。
事前相談で不安を解消
どのような見た目を希望されているかを明確にし、過去の症例写真などを見ながらイメージをすり合わせることが大切です。
まとめ
セラミックは決して「バレる治療」ではありません。正しい素材選び、色調の再現、技術の精度、そして丁寧な連携があれば、どなたでも自然な笑顔を取り戻すことができます。
セラミックの見た目に不安を感じている方は、ぜひ一度当院へご相談ください。審美性と機能性の両立を目指し、最適なご提案をいたします。