歯を白くしたい方必見!ホワイトニングとセラミックの最適な順番と色選びのコツ

はじめに

ホワイトニング治療の需要が高まる中、セラミック治療や補綴治療と併用されるケースも増えてきました。その際に重要になるのが「シェードテイキング」、つまり色調の選定です。ホワイトニングによって天然歯の色が変化するため、セラミックの色を合わせるタイミングを誤ると、最終的に色調のズレが発生してしまうことがあります。本コラムでは、ホワイトニングとセラミック治療を組み合わせる際のシェードテイキングの最適なタイミングと注意点について、歯科医師の立場から詳しく解説いたします。

ホワイトニングとセラミック治療の併用について

審美性を最大限に引き出すための選択

セラミックによる修復治療を行う際、天然歯の色が暗い場合は、ホワイトニングによって周囲の歯を明るくしてから補綴物の色調を合わせるというアプローチが一般的です。これは、セラミックそのものはホワイトニングで色が変わらないため、周囲の歯との調和を考えると、先に天然歯を理想的な白さに整えておく必要があるからです。

患者様の満足度を左右する色調の一致

白い歯を希望される患者様にとって、前歯など目立つ部位のセラミック治療は非常に重要な審美要素です。ホワイトニング後に色合わせを行うことで、より自然で統一感のある美しい口元を実現することができ、治療後の満足度を高めることにつながります。

ホワイトニング後の色調安定までの期間

色戻りが起こる可能性に配慮

ホワイトニング直後の歯は一時的に白くなりすぎていることが多く、時間の経過とともに若干の「色戻り」が起こる可能性があります。そのため、ホワイトニングを終えた直後にシェードテイキングを行うと、後に補綴物と天然歯の色の差が生じるリスクがあります。

安定期間の目安はおよそ1〜2週間

一般的に、オフィスホワイトニングであれば1週間程度、ホームホワイトニングであれば2週間程度で色調が安定するとされています。この期間を見越して、ホワイトニング終了後に一定期間を置いてからシェードテイキングを実施するのが望ましいとされています。

適切なシェードテイキングのタイミング

ホワイトニング完了後に十分な間隔を設ける

セラミック治療の最終的な色調選定は、ホワイトニングが完了し、色の安定を確認した後に行うべきです。前述の通り、最低でも1週間、可能であれば2週間待つことで、天然歯の色調が定着し、より正確なシェード選定が可能になります。

プロビジョナルレストレーションの活用

シェード決定までの期間、仮歯(プロビジョナルレストレーション)を用いて、歯肉の形態を整えつつ、患者様に審美のイメージを持っていただくことが有効です。最終補綴物とのギャップを少なくするためにも、仮歯の段階で患者様の希望色や形態をすり合わせておくことが重要です。

シェードテイキング時の注意点

照明環境とシェードガイドの選択

色調の選定は非常に繊細な作業です。自然光に近い光源下で行うこと、適切なシェードガイド(例:VITA Classical、VITA 3D-Masterなど)を使用することが正確な判定には欠かせません。また、診療室内の照明が色調判定に影響する場合があるため、色温度の管理にも注意が必要です。

写真撮影と記録の重要性

シェードテイキング時には、患者様の口腔内写真を記録しておくことが推奨されます。特に歯科技工士との連携が必要なセラミック補綴では、正面・側面・シェードガイドとの比較写真などを撮影し、詳細な情報を共有することで、より調和の取れた仕上がりを目指すことが可能です。

技工士との連携で精度の高い仕上がりへ

シェードマップの活用

前歯部など、色調にグラデーションや透明感のある部位では、歯冠全体を一色で仕上げるのではなく、部位ごとに色の違いを指示する「シェードマップ」の作成が有効です。たとえば、切縁部はA1、中央部はA2、頸部はA3などと分けて情報を伝えることで、より自然な仕上がりが実現できます。

院内技工士がいる場合のメリット

院内に歯科技工士が常駐している場合、患者様の口腔内を直接確認しながらシェード確認や微調整を行うことができます。これにより、色合わせの精度が格段に高まり、最終的な補綴物の完成度が向上します。

まとめ

ホワイトニング併用時はシェードテイキングのタイミングが鍵

ホワイトニングとセラミック治療を併用する場合、シェードテイキングのタイミングを誤ると、せっかくの審美治療が不自然な結果になる恐れがあります。ホワイトニング終了後に一定期間を置いて色調を安定させ、適切な条件下でシェードを選定することで、患者様にご満足いただける美しい仕上がりを目指すことができます。

丁寧な説明と記録、そして技工士との連携が成功のカギ

シェードテイキングは、単なる色合わせではなく、患者様の審美的要求に応えるための重要な工程です。診療室と技工所の連携、患者様とのコミュニケーションを大切にしながら、最良の結果を提供していくことが、現代の審美歯科に求められる姿勢といえるでしょう。

歯科技工士もチェアサイドにいるブランパ歯科です。

 

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